海外『日本のトイレが恋しすぎて泣ける』ビデ便座を即購入する米国人続出 ─ 海外掲示板の悲痛な反応まとめ
海外で話題になった「日本トイレ・ロス」
ある米国人旅行者が、2週間の日本旅行を終えて帰国した直後、海外掲示板に短く綴った投稿が話題を呼んだ。「自分のトイレが歌ってくれないし、素晴らしい水のショーも見せてくれない。本気で怒り狂っている」――嘆きとも諦観ともつかない一文に、世界中の旅行者から「分かる」「俺もそうなった」と共感のリプライが殺到した。
以下、海外の反応からその背景と現状を独自の視点で分析していく。
(スレ主)2週間の日本旅行から帰国したんだが、自分のトイレが歌ってくれないし、素晴らしい水のショーも見せてくれない件について本気でブチギレている。 旅行者諸君、楽しめるうちに存分に楽しんでおけ。
私も帰国して『日本トイレ・ロス』に襲われたよ。あの暖房便座、箱根の僧院に泊まった時にも本当に助かった。しかも温度ダイヤル付きで、な!
1月に富士急ハイランドへ行ったら、便座は暖房なのに洗面所の水は氷点下並みに冷たかった。便座に金かけて温水には金かけない、ってどういう優先順位だよと思った
ナガシマスパーランドも同じ。確か筑波山の2つの峰の鞍部にあるトイレですらビデ付きだった。帰国して1ヶ月経つけど、まだあのトイレが恋しい
あるいはビデ便座を買えばいいんじゃない?私はそうしたよ
C100は基本機能フル装備で、1000〜2000ドルの高級機種に比べたら破格に安い。ただ俺のは1年で壊れたわ(保証切れた直後にな…)
うちは11年前にアメリカで設置したTOTOウォシュレット、いまも現役バリバリだぞ。当時の中位モデル(今はもう無い)で壁掛けリモコン。合計で1200ドルくらいだった
紙で拭いてる自分が原始人に思えてくる
TOTO USAがこのサブレをスポンサーするのを待ってる
TOTOはアメリカでも普通に買える。俺は自宅で一番使うトイレに設置済み。マジで魔法
初めて日本に来た時、ビデを使うのが正直怖かった。覚悟を決めるまで結構かかったけど、一度使ったら…二度と戻れない!あのスッキリ感は最高で、もう無い生活は想像できない。暖房便座も神」
トイレのメロディは恋しいけど、『素晴らしい水のショー』って何だ?俺は日本のトイレの真髄を見落としてたっぽい
分かる、最初の冬の感動!夏に来日したから、誰もいないのに『誰かが長時間座ってた』感じが不気味だった。冬になって初めて暖房便座だと気付いた時の感動と納得!
3週間の旅から戻ったら、うちの妻も同じ反応だった。2週間後にはTOTO C200を自宅に設置してた
これマジで人生が変わるレベル。年末また日本に行く予定だけど、引っ越し先にはビデを導入したい。12月の凍えるような夜、冷たい便座を覚悟して座ったら、温かくて居心地のいい玉座だった瞬間は一生忘れない
(米国のトイレは)ケツも温めてくれない。あれが一番恋しい
めっちゃ共感する。なんでアメリカは普及しないんだろう。とにかく清潔!どのトイレ体験も気持ちいい時間になる。空港のクソトイレですらそうなんだぜ。マジで魔法だわ
管理人の分析・見解
TOTOウォシュレット45年史 — 1980年発売、累計5,000万台
日本のトイレが世界で異彩を放つ起点は明確で、1980年6月にTOTOが発売したウォシュレットだ。実はオリジナルのアイデアは米国の医療用洗浄便座(American Bidet社)にあり、TOTOはこれを輸入販売した後、1980年に独自モデルで国産化に成功した。発売時には人体データが存在しなかったため、社員300人以上に協力を仰いで噴出位置を試行錯誤したという逸話が残っている。
その後、1986年に3代目モデル「ウォシュレットSⅢ」で米国市場へ進出し、1990年にはロサンゼルスにTOTO KIKI U.S.A.を設立して本格販売を開始。発売から35年の2015年に累計4,000万台、2019年に5,000万台を突破した。海外出荷は2018年の58万台から2022年には200万台へ拡大し、コロナ禍の2020年1〜3月には米国市場でウォシュレット売上が前年同期比2倍以上を記録している。トイレットペーパー不足が米国人を「日本式」に目覚めさせたという、皮肉な追い風だった。
日本82.5% vs 米国10%未満という異常な差
ウォシュレットが日本でどれだけ「当たり前」かは、普及率の数字を見れば一目瞭然だ。
表1. 温水洗浄便座の国別普及率
| 国 | 一般家庭普及率 | 備考 |
|---|---|---|
| 日本 | 82.5% | 2023年内閣府調査、テレビ・冷蔵庫並みの必需品 |
| 韓国 | 約60% | 日系メーカーの輸出が牽引 |
| 米国 | 10%未満 | 2020年時点、コロナ後に上昇傾向 |
| 欧州 | 5%未満 | 一部高級ホテルのみ |
出典:内閣府「消費動向調査」(温水洗浄便座の普及率)
日本では温水洗浄便座が給湯器や電子レンジと同列の生活インフラとして家電量販店に並ぶ。一方、米国では未だ普及率10%未満のニッチ家電にとどまる。この差はライフスタイルの好みの問題ではなく、物理的・文化的な障壁によるものだ。
なぜ米国の家庭トイレにはコンセントがないのか
海外掲示板で繰り返し嘆かれていた「うちのトイレにコンセントがない」という障壁は、偶然ではなく米国電気工事規格(NEC)の歴史的経緯に根差している。米国では浴室・トイレ内の電源コンセント設置が感電リスクの観点から長らく抑制的に扱われ、現在もGFCI(漏電遮断機能付き)コンセントの標準化は洗面台周りのみ。便器の横にコンセントがある家庭はほぼ存在しない。ウォシュレットを付けたければ専門業者の電気工事に数百ドル、賃貸なら大家の許可というハードルが積み上がる。
加えて、欧米にはトイレを「居住空間」として扱う文化がある。広い空間に絵画や植物を飾り、リネン類や雑誌を置く。その美意識から見ると、ボタンの並ぶハイテク便座は家電量販店のショールームに見えてしまう。日本のように機能優先で割り切るには、インテリア思想そのものの転換が要る。
高級ホテルのスイートから攻めたTOTOの逆転戦略
この壁に対してTOTOが取った戦略は、一般家庭への直接販売ではなく、世界の高級ホテルチェーンのスイートルームへの標準装備化だった。ザ・ペニンシュラ、フォーシーズンズ、マンダリン・オリエンタル。スイートに導入された結果、富裕層の宿泊客が「あれを自宅にも欲しい」と動く流れが生まれた。実際このスレッドにも「ホテルで体験してから自宅にC100を取り付けた」「11年前に設置したミドルレンジモデルがまだ現役」と、ホテル体験経由の購入者が何人も登場している。上から攻めて、下に染みていく。管理人はこの戦略、家電マーケティング史に残る上手さだと思っている。
「人生を変える」のは便座ではなく、公共空間込みのパッケージ
もうひとつ、日本のトイレ文化が異次元なのは、公共空間の質まで込みでパッケージになっている点だ。空港、駅、コンビニ、デパート、どこのトイレもウォシュレット付きで、便座は冬でも温かく、流水音やメロディで音消しまでしてくれる。支えているのは数時間ごとに清掃が巡回するメンテナンス文化と、利用者側の「迷惑をかけない」倫理観。家庭と公共を貫く統一基準があるからこそ、外国人観光客の言う「あの体験を日本で味わった瞬間、自国に帰ったら失った何かを実感する」という現象が起きる。
スレッドで最も拡散されたのは "Felt like a caveman wiping with paper."(紙で拭いてる自分が原始人に思えてくる)という一行だった。これに「高級モデルには内蔵『ケツ乾燥機』が付いてるんだぜ」とエスカレートしていく流れも、海外掲示板ならではの諧謔。締めの「空港のクソトイレですらそうなんだぜ。マジで魔法だわ」という詠嘆まで含めて、もはや便座の話を超えた、公共空間の質そのものへの評価になっていた。
参考・出典
- 内閣府「消費動向調査」(温水洗浄便座の普及率)
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